オメガファーマ・クイックステップ、定石どおり。

　夕べも今朝も頭痛なし。

　森の中を一直線に貫く石畳の道、その両脇を埋め尽くす大観衆、バイクカメラはまずその行く手を捉える。第１８セクター・アーレンベルクを示すゲートを通過する瞬間、タテ方向に１８０度パンすると、この五つ星の地獄に突入してくるプロトンが映し出されるお約束のカメラワーク。シビれちゃうよなぁ、毎年のことだけど。

　最終局面に残った１１名の超豪華メンバー、アシストなしの単独はカンチェラーラ、ヴァンマルケ、サガン、ランゲヴェルド（ガーミン）。２人いるのがスカイのウィギンスとゲラント・トーマス、GIANT・シマノのデゲンコルブとデバッケル。そして３人を揃えたオメガファーマ・クイックステップから残り６㎞でテルプストラが単独アターック！　同チームとしてこれは定石、追走するのに他の優勝候補に脚を使わせる。早々に捕まったら次はスティバールに行かせ、いずれにしても最後はボーネンで勝負。後ろで牽制が入れば、そのままアシストの逃げ切りもあり。さぁ、どうするカンチェラーラ？　どうするヴァンマルケ？

　表彰台の真ん中で、石畳をモチーフにした優勝トロフィーを掲げるテルプストラ、両脇にはデゲンコルブとカンチェラーラ。単独でヴェロドロームに入ってきて鐘を聞き、あとの１０名に２０秒もの差をつけて逃げ切ったとは…　「パリ〜ルーベでは初めて、パンクもメカトラも一度もなかった。今日のボクはとてもツイている、宝クジでも買おうかな？」