金相場、史上最高値更新中(その2)。
夕べも今朝も頭痛なし。
昨年売却した新宿店がなくなってしまったので、このたびはギンザタナカの銀座本店に赴いた。4階に案内されるとブースが10個ほど並んでいて、その中で取引を行うようになっていた。
自分の売却手続きが終わってブースを出ると、一つおいたとなりからも人が出てきて、帰りのエレベーターに乗り合わせた。70歳前後の女性で、背は低いが恰幅はあり、大きめのグラデーションレンズのサングラス。そのマダムが話しかけてきて
「こんなに混んでるなんてねぇ、やっぱり有事のせいで? ほんと早く来てよかったわ」
「そうですね。整理券配ってるなんて、ちょっとびっくりしました」
「よねぇ。アタシはね、6番!」
「そうでしたか。わたしは10番でした」
「…アナタね。アナタが今日、売ったのか買ったのかは聞くあれじゃないけども。どちらにしてもね、いい取引になればね!」
「ありがとうございます。それはもうお互いに、いい取引であるよう願ってます」
「あらぁ。うれしいこと言ってくださるじゃない… (握った右手の親指を立てて)グーよね!」
「え? あ、そうですね。グーです」
「そうよ、グーなのよ。それはもう、グー。(だんだん興奮してきて)グーよ、グー。グーに決まってる… (大きく右拳を突き上げながら)グーーーーーッ!!!」
「・・・・・・・」
「それじゃ、これで失礼します。ごめんください」
…マダムは銀座の街に消えていった。
昨年売却した新宿店がなくなってしまったので、このたびはギンザタナカの銀座本店に赴いた。4階に案内されるとブースが10個ほど並んでいて、その中で取引を行うようになっていた。
自分の売却手続きが終わってブースを出ると、一つおいたとなりからも人が出てきて、帰りのエレベーターに乗り合わせた。70歳前後の女性で、背は低いが恰幅はあり、大きめのグラデーションレンズのサングラス。そのマダムが話しかけてきて
「こんなに混んでるなんてねぇ、やっぱり有事のせいで? ほんと早く来てよかったわ」
「そうですね。整理券配ってるなんて、ちょっとびっくりしました」
「よねぇ。アタシはね、6番!」
「そうでしたか。わたしは10番でした」
「…アナタね。アナタが今日、売ったのか買ったのかは聞くあれじゃないけども。どちらにしてもね、いい取引になればね!」
「ありがとうございます。それはもうお互いに、いい取引であるよう願ってます」
「あらぁ。うれしいこと言ってくださるじゃない… (握った右手の親指を立てて)グーよね!」
「え? あ、そうですね。グーです」
「そうよ、グーなのよ。それはもう、グー。(だんだん興奮してきて)グーよ、グー。グーに決まってる… (大きく右拳を突き上げながら)グーーーーーッ!!!」
「・・・・・・・」
「それじゃ、これで失礼します。ごめんください」
…マダムは銀座の街に消えていった。