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カニは女に剥いてもらって食べるもの。

 夕べも今朝も頭痛なし。

 先ほど夕食に、カニを食べていた。カニの脚の食べやすいところだけあれしていたら、妻が「もったいないよ。」と根本のところをハサミで切って開けてくれた。そのことでもって、「世界一のバーテンダー」田中勝との生前の会話を思い出した。

 その晩は自分がクチアケで、ほかに客はいなかった。いつものようにウォッカギムレットを飲みながらバカ話をしていたら、なぜかカニを食べる話題になり。自分が、カニはおいしいけれど殻を剥くのがめんどくさいですよね、と発言したところ、彼はまるで異星人を見るような目で「なに言ってるんですかエレキさんカニなんか、自分で剥くわけないでしょう」と。「は? じゃあ誰が…」とつぶやくと、普段のバーテンダーの物腰ではなく、昔やんちゃしていた目つきに戻りながら「そんなの決まってるじゃないですか、女ですよ、オ・ン・ナ。彼女でも女房でも、カニは女に剥いてもらって食べるものです」。

 この話、これまで何度か第3者に対して披露してみたけれど、ことごとく不評。男尊女卑とかそっちのほうに受け止められてしまうらしいのだが、これは田中勝のアティテュードではなく、まったくもって自分の話術が至らないせいである。この話で抱いた自分のイメージは、暴風雪吹き荒ぶ極寒の北国で、カニを真ん中にコタツで差し向かいの、女「剥いてあげる」、男「お。ありがと」などと言いながら。←さしずめ健さんと倍賞千恵子だから、もちろんテレビでは八代亜紀が「♪お酒はぬるめの 燗がいい」と歌っている… なんだかしみじみしつつウォッカギムレットをおかわりした、その晩の吉祥寺カーティスクリーク。

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