ベルルッティがやってくる。

　夕べも今朝も頭痛なし。

　昨日の昼過ぎ、みんなで近所のデパートに行って高１の長女のメガネを買ったりいろいろしたあと、お得意様サロンに寄った。するとたまたま我が家の係のNさんがいて、こっちは駐車券だけすぐあれしてもらうつもりだったのに、ちょっとお座り頂いてお茶でもと。じつはご案内がございまして、と。

　後刻「エレキさん、このブランドご存知ですか」とパンフレットとともに現れたNさん、それをチラ見するなり美しいグラデーションが施された靴と、一面に筆記体の文字が刻まれたバッグが視野に入って（ヤバイ！）と目をそらした。「紳士靴を中心とした革製品、今ではトータルファッションの…」（ヤメロ！）　「パリが本店の、ベルルッティという…」（ヤメなさい！）　「来月、当店で初めて同ブランドの催しを…」（ヤーメーロー！！）

　まさか自分の人生に、向こうからベルルッティがやってくるとは思わなかった、それもジョン・ロブやなんかを一気に飛び越えて。ただ、こんな田舎のデパート（失礼）でやるようなブランドではない認識はあるらしく、「せっかくの企画なのにお客さんがぜんぜんじゃあれなので、ぜひ賑やかしに…」と控え目な誘い文句だが、それで済むわけないだろ！　試しに履いてみたらさいご、買わずに帰る自信はまったくないのが危険だ…　あまりにキケンすぎる、一足２０万円オーバーの最高級紳士靴の世界。