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天地創造稟議。

 夕べも今朝も頭痛なし。

 ある年の10月1日に、ある銀行が設立されることになったのだが問題は、いったいどういう段取りで設立するのか、ということだった。「そんなもん設立すればいいじゃん」「登記すればいいんじゃん」という簡単なことではない。設立前のいわば「無」の状態では、組織もなければ職員もいないのであるから、登記に行くことすらできないのである。

 幸い、当該銀行の総裁は内閣総理大臣が任命する、と法律で定められているので、10月1日の朝イチ(?)で任命されれば、総裁だけはいる、という状態でスタートすることになる。であればまずは、その総裁が、新銀行の組織に関する規程を定めたのでこれを連絡する、という旨の文書を回覧する。通常、組織管理規程の改訂は総務部起案・関係部室合議の稟議で行うが、なにしろこの場合は起案する総務部もまだなく、合議する関係部室もない状態なのであるから、総裁が一方的に(?)定めたものを回覧することとしたのである。次に、総裁が、上記で設置した組織に沿って、職員を採用・配属したのでこれを連絡する、という旨の文書を回覧、これでようやく器と人ができあがるという段取りとした。

 で、上記回覧文書を本当に総裁が作成するわけはないので、前者の組織管理規程制定回覧については当時総務部にいた自分が作成したのはいい。しかしこれが、その瞬間には総裁しかいないはずなのに総務部起案となったのはどういう整理だったのか、今となってはよく覚えていない。ちょっと舌が短いS次長が「総裁が起案するってのもなーんかヘンだからさぁー、その瞬間にはなぜかエレキもいたってことにして、起案しちゃえばいいじゃーん」と言ったような気も。ということで、起案者の欄にエレキのハンコが押してある、新銀行第1号の稟議回覧文書。これをS次長が名付けて「天地創造稟議」、まさしく。

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