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現存していた、6畳一間の貸家。

 夕べも今朝も頭痛なし。

 半年くらい前、当時小学4年生だった長女の、同級生のお父さんが亡くなったという。娘の口からはあまり聞いたことのない名前だったので、それほど親しくはなかった模様だが、妻に聞くと小声で「それがね…」 そのお父さんが長期入院している一方、お母さんは娘2人を放ったらかして遊び歩いており、授業参観には別の男性を連れて来るのだという、しかも酒臭いと。

 ま、それは人様のことだからいいとして、お通夜には行きたいと娘が言った。どこでやるのか、寺か葬儀社か?と思ったらなんと、自宅でやるのだという。それはまたいまどき珍しい、さぞ立派な家なんだなと思いきや「神社の近くの貸家だよ」とのこと。え、あそこらへんで貸家… 自分が小さい頃はたくさんあったが、今やキレイに建て売りが並んでいるはずだが…

 で、娘と2人で行った。「こっちだよ」と言われるままについて行くと、建て売り住宅のすき間の路地の奥に、な、な、なんじゃいコレは! ベニヤの壁にトタンの屋根、40年前そのまんまの貸家だは! 6畳一間に流しと風呂と便所(←けっしてキッチンとバスとトイレではない)、それだけ。その6畳間に棺桶が置かれ、親戚らしい人々が20人くらいぎっしりと。坊さんが来ているのでなく、棺桶の前でお経を上げているのは喪服を着た親戚(たぶん)のおじさん。この光景を見て凍らないやつは、まずいないだろう。

 そうかと言って回れ右で帰るわけにもいかず、玄関(というほどのアレではないが)に立っていた茶髪で喪服の親戚(たぶん)の若いおねえちゃんが「どうぞ」と言うけど、うぁあ〜ヤメてくれ! てめぇなにが「どうぞ」なんだと、もう一人も上がれないくらいぎっしりじゃねえかこの貸家が! 

 というわけで、玄関先で焼香して辞した。帰り道、なんかもうエライもんを見たなと、忘れかけていたあの時代の「貧乏」が現代にそのまんま残ってるのかと、ちょっと泣きそうになった。

 そういえば、と先日、あのときの同級生はどうしたかと娘に聞いたら、「4年生の終わりくらいに引っ越しちゃったよ、どこかは知らない」とのことだった。


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