トニー・マルティン、ついにマイヨ・ジョーヌを着る。

　夕べも今朝も頭痛なし。

　２０１４年のパリ〜ルーベ、最終局面に残った１１人のうち、オメガファーマ・クイックステップは３人を揃えていた。残り６kmで定石通りテルプストラがアタック。追走にライバルの脚を使わせて、早々に捕まれば次にスティバールに行かせ、いずれにしても最後はボーネンで勝負する。結果は…　テルプストラの逃げ切り優勝だった。

　ツール・ド・フランス第４ステージ、７つのパヴェをこなして最終局面に残った約３０人、この中に４強はぜんぶいて、ヴァンガーデレン、バルベルデ、モレンマ、ロドリゲス、ペロー、タランスキーら有力どころも残った。集団ゴールスプリントになるならブアニ、コカール、ボアッソン・ハーゲン、デゲンコルブらのスプリンター勢だが、なんといってもカヴェンディッシュが残っている。

　エティクス・クイックステップはほかにトニー・マルティン、スティバール、ウラン、ヴェルモトと合計５人を揃えているんだからここは定石通り、と残り３kmでマルティンがアタッーク！　追走にライバルの脚を使わせて、早々に捕まれば次にスティバールに行かせ、いずれにしても最後はカヴで勝負する。結果は…　見事逃げ切ってステージ優勝＆マイヨ・ジョーヌとは、自転車の神様はちゃんと見てらっしゃるんだなぁ。

　なおマルティンは残り１９km地点でパンク、マッテオ・トレンティンが差し出したバイクでゴールした。マルティンには若干サドルが高い、ゼッケン１１７がついたスペシャライズド S-Works「Roubaix」石畳用。ゴール後、駆け寄ったチームメイトたちのなかでもカヴェンディッシュがひときわ嬉しそうだったのは、第２ステージのことがあったから。

　それにしても、このステージでのサガンのアシストぶりはじつに立派だった。常にコンタドールの位置を気にしながらの走り、遅れそうになるエースを何度も引き上げた。それに加えてゴール前では、きっちりスプリントしてデゲンコルブの３位に入るという。中間スプリントポイントでは競ったあと、後ろのプロトンの位置を確認しながら指をクルクル、まさかの「回って逃げようぜ？」のゼスチャーにはグライペルやデゲンコルブが「バカ言うな」と大笑い、どこまでもお茶目な新人賞ジャージ（←まだ２５歳だったのね）。

　残念ながら、カンチェラーラは昨晩リタイヤ。検査の結果、腰椎が２カ所折れていたという。その状態で５９㎞走って、ユイの壁も上ったとはなんたる精神力…　いや、どうかしてるって。