SSブログ

ルカ・パオリーニ、名人芸の引き。

 夕べも今朝も頭痛なし。

 イタリアに春を告げる伝統のクラシック、第106回ミラノ〜サンレモ。ゴールまで残り8㎞、最後の丘ポッジオの上り、一瞬でも目を離したらヤラれるのは選手も、見ている我々も同じ。

 先行するのはダニエル・オス(BMC)とゲラント・トーマスの2名、これを20秒差で追う集団の先頭はパオリーニ(カチューシャ)、背後にディフェンディング・チャンピオンのクリストフを従えての引き。ここで、そのアシストぶりを讃えるクリムラ節が次々と炸裂、曰く

「クリストフのスプリント脚を残し、なおかつ他の選手はアタックできない、そんなコンマ5㎞/h以内の微妙〜なペーシング!」

「ヒゲがさらに濃くなった、何年剃っていないのかわかりませんパオリーニ!」

「まさに名人芸の引き! 他の選手のアタックを封じ込めている、しかもクリストフの脚はなんとか残す、針の穴に糸を通すかのような引き!」

 往年のフルタチ・イチローよりアツい実況だがそれはともかく、丘の頂上を越え、下りきって平坦。途中ヴァン・アーヴェルマート(BMC)やサガン(ティンコフ・サクソ)がちょこちょこ出ながらも、最後は一団にまとまってフラム・ルージュ。オオッとここでまた上がってきた〜、クリストフを引き連れてパオリーニ! 集団先頭を引き倒して残り350m、チラッと後ろを振り返りつつ脇にどいていくがこれは早いか? 自分のタイミングで発射したかったかクリストフ、しかし2年連続優勝に向って懸命に踏む! その右から、頭を激しく上下に振りながらグイグイ伸びてくる黒いジャージは…デゲンコルブ! クリストフ! デゲンコルブ! どっちだ?!

 画面の隅に映っている、引き終わったパオリーニ。上体を起こし、惰性で流しながら腰に手を当てて、このゴール前スプリントの行方を眺めている。ゴールライン上で僚友の手が挙がったら、自分もすかさず両手を掲げる構えだが… ぬぉお〜、ガッツポーズは黒いジャージのほう!

 ジョン・デゲンコルブ、幸か不幸かマルセル・キッテルと同じチーム、同じ脚質、同じ国籍。これまでその影に隠れていた感もあったものの、今日はとてつもなく大きな勲章を手に入れポディウムで涙。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感