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メッシーナの鮫、ゴールして涙。

 夕べも今朝も頭痛なし。

 このまますんなり行くわけはなかったジロ・デ・イタリア第19ステージ、チマ・コッピの下りでマリア・ローザが落車。高速コーナーを曲がりきれず、タテに1回転して雪壁に激突。アシストは誰もいない、チームカーは来ない、絶体絶命の大ピンチ!

 峠をいっしょに越えてきたチャベスとニバリは快調に下って行き、前から降ってきたルーベン・プラサ(オリカ・グリーンエッジ)と合流、36歳のベテランが10歳年下の若きエースを牽引してクルイシュヴィックとのタイム差を開きにかかる。一方アスタナは、前からスカルポーニを下げるオーダー。単独先頭でチマ・コッピを越え、このときはモンフォール(ロット・ソウダル)と2人でレース先頭にいたスカルポーニ、33km地点で「すまんな」とモンフォールのお尻を触って先に行かせたあと、なんとバイクを止めてニバリを待つ。

 1級山岳の頂上ゴールまで残り9km地点、引き終わったスカルポーニが隊列から離れたとき、追走のバルベルデ/マイカグループが1分差、マリア・ローザグループが2分20秒差だった。前からこぼれてきた選手達と合流して10人前後の集団になっていたものの、誰も引いてくれずに自分の脚を使い続けたクルイシュヴィック(←お人好しのボブ・ユンゲルスも引かなかったほど)、レース先頭でニバリが軽く仕掛けたとほぼ同時に脚が止まった。先頭集団はニバリ、チャベス、ニエベ、ウリッシの4名だけに。

 5.5km地点、ニバリがアターック! ついていけたのはチャベスだけ。さらに5.1km地点でアターック(その2)、チャベスがチギれる、決まったーっ! 沿道からの「ダイ! ダイ! ヴィーンツェンツォー!」の声援に応え踏む、踏む、踏む! そのまま単独で登りきり、天を指差しながらゴールラインを越えたあとスタッフに囲まれたニバリ、ハンドルバーに突っ伏した肩が震えているのは… あの「メッシーナの鮫」が泣いている!

 チャベスは追いついてきたニエベにかわされ53秒遅れの3位フィニッシュ。バルベルデ/マイカは2分14秒、そしてクルイシュヴィックは4分54秒遅れてゴール。この結果総合は1位:チャベス、2位:ニバリ(44秒)、3位:クルイシュヴィック(1分05秒)、4位:バルベルデ(1分48秒)。1級を3つ越え、最後は3級の山頂にゴールする本日の第20ステージ、下記のいずれでも感動間違いなし

(1)チャベスがマリア・ローザを守りきって若き新王者誕生
(2)2日連続のアタック連発でニバリ逆転優勝、勢いでサルディーニャ島独立承認
(3)肋骨骨折をものともしない走りでクルイシュヴィックがマリア・ローザ奪還、ビアンキにとっても久々のグランツール総合優勝
(4)1分48秒をひっくり返し「無敵」のバルベルデまさかの総合優勝

 その他気づきの点

●ザッカリンもチマ・コッピの下りで落車、こちらは鎖骨と肩の骨を折って即リタイヤ。走りが雑だっただけに心配していたのが現実に

●ルーベン・プラサやスカルポーニの仕事ぶりにシビれたのは言うまでもないが、チマ・コッピの登りでニバリをアシストした若い衆もがんばった。バーフティヤール・コージャタイエフ、24歳・カザフスタン

●6分20秒遅れでゴールにたどり着いたミケーレ・スカルポーニ、あの飄々とした表情で、歓声を上げる左右の観客にチラッ、チラッと交互に眼差しをくれながら… う〜んシブすぎる!

●本日改めて噛み締めた格言「ロードレースは一人では勝てない」
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